足のアーチとは土踏まずにあるドーム型のことです。人間が二足歩行で歩ける理由は、足にあるアーチ構造が発達しているからです。このアーチ部分が身体を支えることによって歩くという動作ができます。しかし、このアーチが下がってしまうことで足・膝・腰に様々な問題が生じてしまいます。
片足は26個の骨で構成されており、これらは三つの部分、後足部、中足部、前足部で形成されています。
①後足部の7本の骨:踵骨は、足を構成する骨の中で最も大きいものです。歩行時に体重の最初に衝撃を支えることができる最も大きな骨であり、立っている時には体重を支えてバランスを保ちます。
②中足部の5本の骨:これらの骨はそれぞれの体の内側、外側の体重を支える役割を果たしています。
③前足部の14本の足指の骨:親指は2つの骨があり、残りの4本の足指にはそれぞれ3個ずつの骨で形成されています。足の親指だけが一番大きな理由は、足の指の中での移動や立っているとき、最も多くの力を受けるからです。
人の足の裏(土踏まず)には外側縦のアーチ、内側縦のアーチ、横のアーチ形状があります。片足には3箇所のアーチがあり、それぞれ、前後方向、左右方向、水平回転方向の姿勢制御を容易にする機能を果たしています。又、アーチ形状がバネのように作用することで、足にかかる衝撃を緩和させる役割もあります。
この3つのアーチのお陰で歩いたり走ったり日常の歩行動作ができます。その、アーチの構造は直立二足歩行を行うことで次第に形成されるため、生まれたばかりの赤ちゃんには備わっていません。
なお、直立二足歩行は人間以外の動物にも見られるが、土踏まずが形成されるのは人間だけです。土踏まずのない猿やオラウータンも時々2本足で歩きますが、それは腰を落としたり膝を曲げて体のバランスをとっているからであって人間のようにスッと立って歩くことはできません。
現代、滑りやすい靴や足に刺激を与えてくれない靴を履いている、足に合わない靴を履いている、硬い地面、長時間の立ち仕事、運動不足、各種足の疾患、肥満、高齢の方は次第に土踏まずのアーチが悪くなっていきます。
アーチの構造や形態に異常が生じれば足はもちろん足首、膝、お尻、腰、首など全身のバランスが崩れ身体が不調になる恐れがあります。
また、衝撃吸収剤の入った靴を履いているや、他社のインソールを使っているにも関わらず疲れやすい、肩が凝る、膝が痛い、ふくらはぎがパンパンに張ってしまう等の症状は土踏まずのアーチに異常があるかもしれません。
土踏まずに異常があると上手くバランスがとれなく転んだり、体が歪んで足や膝、腰などに異常がでてきます。
先進国ではアーチの構造に注目して日常生活で変形した土踏まずのアーチ形態と構造を矯正し、足と全身の構造を直す研究と治療をした結果、優れた成果を出しています。
足裏の土踏まずにあるアーチが下がると偏平足(扁平足)(へんぺいそく)、開張足(かいちょうそく)、中足骨頭部痛(ちゅうそくこつとうぶつう)、足底筋膜炎(足底腱膜炎)(そくていきんまくえん)、モートン病、外反母趾(がいはんぼし)、魚の目、たこ、足の裏が痛い、足が疲れやすいなど様々なトラブルが生じやすくなります。